2012年11月 ウガンダの復興

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ケールは少年時代にウガンダ北部の30キロ北西グルの中規模の村に住んでいました。彼は、医療技術者や生物学の教師になるために大学で学び、良き家庭を築くことを夢見ていました。しかしある運命的な日に反政府勢力が彼の村を襲撃し、彼の教師を射殺し、8才から12才までの12名以上の他の子供たちと彼を誘拐しました。その後数ヶ月間にわたって、ケールと新しい仲間たちは精神的虐待を受け、薬漬けにされ暴行を受け、武器を取って罪のない人々を殺すことを余儀なくされました。その後奇跡的に、ケールの反乱部隊のリーダーが銃撃戦で死亡し、ケールは脱出をすることが出来ました。難民キャンプと社会復帰の訓練後、彼は地域社会を再構築する組織で働き始めました。彼は新しい身分を誇りに思い、少年時代の夢を追求する予定でいます

荒廃地域東アフリカ大陸の大湖地域の国々は、永年にわたり戦争、民族対立、HIV/エイズ、汚職、非効率的な政府と企業によって疲弊してきました。この地域の最も気掛かりな問題は、北部ウガンダに基盤を有する抵抗軍(LRA)と称する組織です。1987年以来、ウガンダ政府に対して戦いを挑むこの反政府グループは、誘拐した数え切れない子供たちを奴隷にし、兵士として訓練しています。荒廃しきった生活環境や死者数は膨大で恐ろしい数に登ります。『北部ウガンダ紛争の理解と解決』と題した報告書で国際危機グループは、政治的成果を達成することを目的とした戦略を考案する中、「LRAの行動は理解しがたく、『効果的提案を開発することも困難』」としています。
LRA指導者ジョセフコニーは、自分は神から使命を与えられたと主張し、彼の破壊的な行動部隊の殺人、拷問、誘拐、性的暴行などの行為は荒廃したウガンダ北部とその周辺地域に広がっています。キリスト教徒はこの悪魔の化身のようなタイプの人間に対してどのように対応出来るでしょうか?精神的および肉体的貧困の中に取り残された貧しい社会と数千人もの人々を破壊している悪を正しい道に方向転換させるため何が出来るでしょうか?明らかに、祈りが重要です。そして、人々が直面している課題を詳細に検分し、それに対処するために模索することです。
何かをするジャーナリストのカルバンは、かつてのLRAのメンバーが紛争衝突した後、難民キャンプで気の抜けたような状態で過ごしているのに気がつきました。そして、これらの難民達に将来への希望が与えられなかった場合、更に多くの問題が存在することに気がつきました。カルバンは、彼が元子供兵士たちを支援するために何かをしなければならないことを知り、ジャーナリストの仕事を辞め、自分の財産を投じてこれらの子供たちを援助する基金造りを始めました。カルバンは間もなく、難民たちが自分たち家族のために農業をすることの必要性を訓練し始めました。ほとんどの男性は、社会に同化し、社会復帰するために必要な各省庁と密接に連絡を保ち、カウンセリングをうけています。サハラ以南のアフリカで育ち、米国で開発/建築家となった実業家のロバートはHIV/エイズに感染した孤児の援助のために非営利の団体を創設しました。ロバートとカルバンは、交流を頻繁に行い、ウガンダの国民が生活出来る賃金を提供するために経済発展のための大きな必要性について語り合いました。カルバンは、ビクトリア湖で最後に運行されたフェリーサービスが1994年から停止していることをロバートに説明しました。この巨大な湖を囲む3,000万人の人々は25年間も効率的かつ安全な交通手段や輸送方法を持っていなかったのです。他の新興企業に投資する資金を作りながら、今までのやり方で異なる複数国の市民の経済、福祉の向上の機会を与えられるとカルバンは信じていました。ロバートは面食らいましたが、彼は米国で小さなボートの会社を所有しており、フェリーを造船し、ビクトリア湖の交通インフラを整備するために一緒に仕事ができることをカルバンに語りました。そしてアースワイズ・ウガンダ共同事業(株)が生まれました。2011年秋には、1隻のフェリーが運航に投入され、2隻目は、ウガンダで組み立てられており、今後3年間に、さらに8隻が作られます。各フェリーは149人の乗客収容の能力を持ち、主要都市間の移動時間の75~80%が削減され、商業発達に力をかしています。アースワイズ(株)はビクトリア湖周辺に住むウガンダ、ケニア、そしてタンザニアの何百人もの住民を採用する予定でいます。加えて、フェリーのエンジンは燃料としてディーゼルではなく、ヒマワリや他の植物油を使用します。難民キャンプから移住した零細農家は、産油作物を栽培する土地の1~2エーカーを提供して燃料の生産を支援することができます。フェリー会社はディーゼルと競合できる、より少ない排気量の燃料を使用することにより、農民に燃料油市場を提供します。このプロジェクトは、将来的に環境に配慮した開発プロジェクトのステップを設定します。
神の召しに応えるアースワイズ(株)は、神を賛美し崇拝するキリスト教徒が所有、運営しています。同社は、プロジェクトに関与しているすべての人々に希望と尊厳を与えることを目指し、この実用的な事業を通し、「すべての男性と女性が神によって創られた(創世記1:27)」というアイデンティティを回復するために取り組んでいます。ウガンダ、及びアフリカの大湖地域の他の国々は、それぞれユニークな問題を抱えています。キリストの体は、共に働くことによって、神の霊の力を通して、すべての障害を克服することができます。キリストの力は、ビジネス、教育、芸術、エンターテイメント、政府、メディア、家族、そして宗教を含めた社会のあらゆる部分
に神の贖罪と癒しをもたらすことができます。神は特定の領域内にキリストに従う信者を配置し、それぞれの人に豊かな経験と特別な才能、神の賜物を与えています。すべての人が説教師や伝道者ではありません。私たちの多くは、土地を切り開き、岩石を取り除き、地面を準備することができます。神はこの世で神の王国の拡大を果たす役割を私達に与えて下さっています。個人個人がウガンダのインフラ整備や国民の生活の向上に努力しているように、世界中のクリスチャンや教会が世界中の都市や国が必要としている事柄に対応し、神がそのために私達に呼びかけておられる機会を見逃すことなく応える必要があります。

祈りましょう

主の抵抗軍(LRA)が犯した暴力行為の終わりの日ために。
現在と元子供兵達の救い、癒し、及びリハビリテーションのために。
神の愛と真実がアースワイズ社員とウガンダの他のキリスト教徒労働者の行動によってより明らかになるように。
ビジネスマン、政府関係者、教育者、芸術家、および他の者たちが神に栄光を帰して人々の生活を向上させることのために。


ビル・サンダーランド 著
梶木 明一 訳