2012年12月 アジアのミッションの進展

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「主よ、私はあなたが私と共に常におられることを知っています。」ライアンは地下室で、すし詰め状態の仲間の信者たちと共にひざまづいて祈りました。彼女の家の教会は何年も宣教の視野を持って努力を続けています。出発を数日後に控え、ライアンは期待と不安との狭間にいました。サウジアラビアへ行こうとするチームの一員として、彼女は自分の生命が危険な状態に置かれることになるかもしれないことを知っていました。中国のチーム・メンバーは外国人労働者として入国しますが、彼らの最終目的は、サウジ政府によって厳しく制限された福音を広げることでした。「私が忠実な証し人であることを助けてください。」ラクィアンは叫びました。「私は死に至るまであなたに従って参ります。」

地の果てにまでイエスは天へ昇られる前に、従う者たちに全世界の至る所において福音を述べ伝えることを委ねられました。「しかし、聖霊があなたがたの上に臨まれるとき、あなたがたは力を受けます。そして、エルサレム、ユダヤとサマリアの全土、および地の果てにまで、わたしの証人となります」(使徒の働き1:8)。イエスの死および復活の後の数世紀にわたり、使徒と使命感を抱いた弟子たちは迫害によって更に大胆になり、アジア、アフリカを越えてキリストのメッセージを伝えました。
1700年代の終わりに現代の福音伝道の動きが始まった後、プロテスタント宣教は、西洋諸国を中心として「発展途上国」や「第三諸国」と呼ばれる国々に宣教師たちを送り出してきました。しかし、ここ数10年の間にかつて「第三諸国」と考えられていた国々が、第二の第三世界とになってきたのです。世界人口の80%以上はこれら急速に発展する地域の人々ですし、そのうち60%はアジアに住んでいます。また、西洋の教会が衰退状態にある現在、この第二の第三世界の教会は大きく成長しました。この人口的大変移によって明白な事実が明らかになりました。今日の宣教師達は、ケニアにおけるカナダ人のように、ベトナムにおける韓国人、中国南部における東北部の中国人たちです。アジアは世界の最大の仏教徒、ヒンズー教徒、およびイスラム教徒の地域のままですが、アジアのクリスチャン達は、広大なる大陸に良き福音を述べ伝える大きな視野を抱いています。
宣教活動の広がり今日の最も大きな宣教の動きの1つは、中国の「家の教会」の出現です。およそ1400万人のプロテスタントとローマのカトリック信者が中国で公認されていますが、「家の教会」で礼拝を守っている人々は4000万~1億3000万と思われます。初期のキリスト教徒の様に、迫害は彼らの行動をより強くしました。キリスト教が速い速度で中国で育っているだけでなく、中国の信者は迫害が起こりそうな他
の国の人々に福音を喜んで広めています。多くの信者は、迫害がより効率的な証し人を洗練する良き機会として見ていますし、そして彼らは信仰のための殉教者になる用意ができているのです。多くの中国の教会は「エルサレムへ」(BTJ)=BacktoJerusalemの標語の基に結ばれています。キリストの伝道が始まった時のように彼らは100,000人の中国の宣教師をアジアの端々にまで送ることを夢見ています。BTJは1920年代に一団の中国のキリスト教徒によって始まりましたが、リーダーが獄中で死去したことにより1950年代に滅びました。しかし、リーダーのひとりのイモン・チャオという名の男性を含む何人かは、その福音のわざを続けるために新しいキリスト教徒指導者が現れるように禁固刑を言い渡された獄中で祈り続けました。チャオが1983年に40年にわたる刑を終了した時、彼の祈りは答えられ、家の教会から外国人労働者としての名目で多くの人々が宣教師の波として、多くの国々に送りだされました。もう一つの力強い宣教の流れは韓国の教会から沸き出ています。宣教師が韓国の伝道を始めてから僅か2世紀未満ですが、信者の福音宣教に対する反応は著しく、韓国の教会は世界で最も急成長している教会のうちの1つです。実際、会衆礼拝出席者数の大きな規模の教会は世界で12ありますが、そのうちの11が韓国にあります。宣教師が初めて福音を伝えた時、韓国は仏教国でしたが、今はクリスチャンが韓国人口4800万人の30%以上を占めています。韓国の宣教使命はさらに加速しました。1980年に、100人の宣教師を派遣した韓国は、2010年には、20,000人以上の宣教師を送り出しました。この数はアメリカを除く世界中の宣教師派遣国を上回っています
利点と機会アジアの国民には、西側の宣教師に勝るいくつかの利点があります。
先ず第一に、多くの場合彼らが人と接する時に文化の壁がより少ないのです。派遣された国の文化伝統やタブーを知ることに年月を費やすかもしれない西側の宣教師と比較し、類似した或いはお馴染みの文化圏へ行くアジア人の宣教師は、現地に溶け込み、宣教の業に素早く取り掛かることができます。もう一つの利点は、アジアの国民によって福音が伝えられる時、その内容が西洋の文化的な影響を受けた「西洋の福音」ではなくて、身近な教えとして受け止められるということです。別の利点として西洋思想に疑いを抱くアジアや中東諸国は、近隣の国からの声に耳を傾け安いのです。もう一つの実際的に有利な条件は、近隣諸国の住民は政府が統制管理を強めている地域への入国ビザが割合と容易に取得出来、費用も割安である言うことです。大きな機会が待ち受けています。アジアの人口およそ40億人のわずか10%未満がキリスト教徒です。そして残りの35億人が、これは世界総人口約半分にあたります
が、福音を必要としています。ますます多くのアジアのキリスト教徒は、世界の人々を救うための救世主メシアとしてのイエスキリストを証しすることに情熱を傾けています。そして、アジアで何百万人もが、あらゆる種族と国々から本当の神を見出して信者の群れに加わるようになることを考えるのは、素晴らしいことです。そのような素晴らしい日が到達した時に、地の果てにまで福音を携えて何代にも渡って困難を乗り越えてきたアジアの信者たちに向かって神は必ず『忠実なる僕たちよ。良き仕事を成し遂げた。』と言われるに違いありません。世界の全てのクリスチャンたちもこれらの個人伝道、宣教の働きに『御国が来ますように。みこころが天で行われるように地でも行われますように』と祈りに加わって下さいます。

祈りましょう
アジアと中東の全てに福音をもたらすために働く、アジアのクリスチャンたちの間に良き協力体制が整えられるように。
福音のために迫害された人々に、力と慰め、また将来への希望が与えられるように。
政府に監視された制限地域の人々に福音をもたらす外国人労働者としての入国に対して道が開かれるように。
西側諸国のクリスチャンたちが、アジアのクリスチャンの熱意および献身から新しい火およびインスピレーションを受け取ることができるように。
全てのクリスチャンたちが弟子としての勤めと弟子訓練の貴い犠牲や働きを見つめ、全ての人々へ希望をもたらすように。


CynthiaKniffin 著
梶木 明一 訳