2011年6月 女性に対する戦い


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健康で活発な赤ちゃん、メイ・シンは、母親のジイの腕に抱かれています。ジイは都会の大学に在籍し卒業前に今の夫に出会いました。結婚して間もなく、 中国の「一人っ子政策」を承知の上で、二人は赤ちゃんを産む決心をしました。ジイは妊娠し、超音波検査の結果、生まれてくる赤ちゃんが女児であることが分かりました。ジイは幸せでしたが、男の子を生むまで「再挑戦」するようにと、友人や家族からは何週間も圧力をかけられました。ジイはその圧力に屈することはありませんでした。自分の胎内の赤ちゃんが、どれほど価値ある尊いものだか分かっていたからです。今、メイ・シンを腕に抱いて、彼女は自分が正しい結論を下したことを確信していました。

今日の世界
私が世界中を旅する機会に恵まれ、この世の多くの貧困国で様々な生き様を目の当たりにする中で、女性の置かれている現状に心を砕かれた事が度々ありました。インドのある親愛なる友人は、涙を浮かべながら、神が彼女を男性に変えてくれることを願うと私に告げました。多くのルーマニアの女性たちは、助産院での出産の際、乳児と母体とを扱う方法が全く人間性を奪っているので、出産するよりむしろ妊娠中絶を受けることを望むと私に語ってくれました。家族の為に畑で働いているアフリカの女性が、家族から無視され、夫によって叩かれているのを見る時、私の心は震え上がりました。複数のアフリカの国では、「妻を打ち据えるのが本当の男性だ」と言われています。しかし、女性が今日直面する最もぞっとするような試練の1つは殺人です。
現在、1億人以上の女性が、様々な理由で無秩序に殺されています。彼女たちは結婚の際、十分な持参金を持参しなかったために、新婚初夜に殺されました。また数百万人は、妊娠中絶を通して殺されました。性別殺人は、毎年、何百万もの女性の命を奪う、意図的な殺人です。
中国と北インドでは、120人以上の男児が誕生しますが、その陰で100人の女児が殺されています。中国のある地域では、100人の女児を殺し、130人の男児が産まれています。インドのビハール州とラジャスタン州では、比率は100の女児に対し、165人の男児です。
社会にとって女性がこれほど軽蔑され、人の生命が簡単に扱われるこれらの事実が許されて良いのでしょうか?中国では現在、3,000万人の男性が結婚の可能性が無く、独身生活を余儀なくされているという事ですが、これが正に前述の問題のもたらす結果なのです。この様な邪悪な世の中にあって、経済、健康、社会的平和と政治的な正義への影響をどのように見て行けば良いのでしょうか?

女性と家庭に対する戦い
悲しいことに、性別殺人は女性の戦いの、いわば氷山の一角です。女性は、幼児殺人、堕胎、持参金殺人、名誉殺害等、様々な理由で殺されます。殺人以外にも、酷い暴力の餌食になっています。女性は強姦され、虐待を受け、恥を受け、財産を奪われ、外観を損なわれます。売春、医療や美容目的のための臓器売買、ポルノ産業、幼児売買、買春目的の観光旅行など、若い女性の世界的な人身売買が急速に増加している現実を目の当たりにします。(妻を探している中国とインドにいる何千万もの男性のことを考えてください。) 女性の身体は、女性性器の切除(FGM)や、胸のアイロン掛け(胸のサイズを減らすために)の犠牲となり、妊娠中絶のためにナイフや化学薬品によって傷つけられています。
妊娠中絶だけを考えても、およそ年間4200万人、毎日に換算して11万5千人の妊娠中絶が毎年世界中で実行されています。世界的に107人の男児に対し、100人の女児の数字は生まれるべき女児が妊娠中絶によって失われている事を示しています。性別殺人そして、一般な女性の戦いは、基本的に女性に対する蔑視と嫌悪に由来しています。性差別主義者の男性は女性に対して戦いを挑んでいます。女性の戦いは、母に対しての戦いでもあり、また家庭とそして最終的には全人類に対する戦いです。

戦う偽装
サタンは、家庭への最も強力で破壊的な攻撃の1つとして「嘘」を用います。男性が、女性より優れているとみなす「嘘」は、世界のあらゆる文化の中に見出せます。クリスチャンとして、私たちは神の御言葉の真理をもってそのような嘘と戦います。御言葉は女性と男性を同等に評価しています。全てのものから私たちを自由にする真理とは、男性と女性は共に神にあって尊く、神の似姿に創られているということです(創1:27;2:21~23;16:13;マタイ19:4;ガラテヤ人への手紙3:28)。
クリスチャンとして、我々は全ての女性、(生まれた者、胎児に限らず)の殺害に対して戦う必要があります、私たちは情報を得、友人が同じように立ち上がるのを励ますことができます。創世記2章にある、素晴らしいアダムとイブの関係は、終わりの時代における、キリストとその花嫁である私達との結婚としてヨハネの黙示録19章に記されている、人類のための神の素晴らしい祝福の証しです。その計画を邪魔しようと働く性差別殺人、この大虐殺に対して、私達はしっかりと向き合い、女性の尊厳のために戦わなければなりません。

祈りましょう。
・ 強姦と暴力によって傷ついた何億もの女性がその尊い人生を回復できるように
・ 男性の性差別に対する思いが変えられ、Ish(ヘブライ語:愛する、自分を犠牲にする夫)の神を信じるように
・ クリスチャンが異文化に対し預言的に声を上げ、それを聞いた人々が女性差別に対して立ち上がれるように
・ クリスチャンが人口操作の政策を拒絶し、神を敬う家族を作り、彼らのコミュニティと国の将来のリーダーになる子供たちを育て、性差別殺人との世界的な戦いをリードするように


ダロー・ミラー著
梶木 明一 翻訳